第19回 JANAMEF Webセミナー
”医療プロフェッショナリズムのパラダイムシフトとChoosing Wisely”
Choosing Wisely (CW)キャンペーンは、2012年、日常臨床の場で広く実施されているにもかかわらず、科学的根拠に乏しく、且つ、そのコスト(直接費用に加えて患者・医療職双方の労力と時間、環境への負荷など)や潜在的な「害」に比して、患者への「益」が少ない医療行為(「低価値医療」)を、患者・市民と医療者の対話を通じて見直すべく、米国内科専門医機構財団の主導によって始まりました。具体的には、日頃行われている検査、処方、処置、手術などが、本当に良好な患者アウトカムにつながっているのか、一旦、立ち止まって考え直すことを促し、患者による最善の選択を支援することを目指しています。
CWキャンペーンの出発点は、2002年に公表された「新千年紀における医のプロフェッショナリズム-医師憲章」に遡りますが、その根底には、医療資源が有限であるにもかかわらず、先進国を中心に過剰な医療が提供され続けている現状に対する倫理的懸念があります。更に、その背景として、科学技術の進歩によって利便性が大きく向上した一方、気候変動や環境汚染、格差と分断など、地球規模でも国や地域レベルでも、深刻な課題が生じ、人類の生存そのものまでもが問われている現代社会への危機意識があります。
一方、目を医療の現場に移すと、医療提供側には、“念のために”、との考えから、患者・市民側には、せっかく受診したのだから、“出来るだけのことをしてほしい”、との思いから、過剰な診療行為に傾きがちな現実があり、経営危機に直面する病院管理者にとっては、診療報酬の出来高払い制が過剰医療への強いインセンティブとなっています。セミナーでは、設立以来10年が経過した Choosing Wisely Japan の活動を振りつつ、プロフェッショナリズム教育における Less is More へのパラダイムシフトの重要性を訴えたいと思います。
[講 師]
小泉 俊三 先生
1971年 京都大学医学部 卒業
1975~80年 米国で外科系臨床研修
1年目:Youngstown, Ohio
2~5年目 Bridgeport, Connecticut
(St. Vincent’s Medical Center, a Yale aff.)
1981年 米国外科専門医資格取得
1980~94年 天理よろづ相談所病院
腹部一般外科医員(1980~94)
総合診療教育部副部長兼任(1984~94)
1994~2011年 佐賀医科大学/医学部
附属病院総合診療部長・総合診療部教授
副病院長(2006),学長補佐(2008)
2011~24年 東光会 七条診療所 所長
2024年~東光会 総合医学研究所 所長
2005~21年 医療の質・安全学会 理事
2016年~ Choosing Wisely Japan 代表
2022年~ 医療安全全国共同行動 議長
米国外科学会 正会員(FACS)
日本医学教育学会 名誉会員
日本プライマリ・ケア連合学会 会員
米国内科学会 賛助会員

