理事長挨拶

理事長 遠藤直哉

(公財)日米医学医療交流財団は30年以上にわたり、医師や看護師などの皆様に、助成(奨学金支給)をして参りました。「医療の輝く未来」に向かうとの標語のもとに、海外へはばたく若者らを支援してきました。また、日本へ帰国し、海外の医療を円滑に導入しつつ、助成を受けた者が医療機関で充分に能力を生かせるようセミナーなどでの啓蒙活動もして参りました。私は、医療専門弁護士として、約30年にわたり、理事を拝命し本財団の公益業務を補佐して参りました。本年1月に、理事長に就任し、従前の理念や目的を承継しつつ、以下に掲示させていただいた当財団の案内書のとおり、新しい方針を提示し、理事会での承認を得て進めております。

是非皆様のご協力をお願い申し上げます。

(所属)弁護士法人フェアネス法律事務所代表弁護士
(専門)医療法・団体法・法社会学(法学博士)

 

財団設立の趣意と歩み

戦後、日本の医学医療は米国に負うところが極めて大でした。しかし、米国で医療研修に従事するレジデントの数は、1970年代初期の約300名から1980年代中頃には1桁に激減し、そのまま推移すれば、日米間の医療研修の糸が切れてしまう恐れがありました。

しかし、臓器移植を始め、救急医学、プライマリ・ケアのみならず、教育システム・教育者の教育姿勢や技法など、米国になお学ぶべき点は多々ありました。

そのような状況に対処すべく、医学医療の領域における日本版フルブライト基金を念頭に、本財団は1988年10月25日に公益法人として設立されました。(当時主務官庁厚生省・認可は1988年10月13日)

設立の翌年1989年5月に特定公益増進法人に認定されました。

この間留学助成を受けた者は600名を超え、その留学助成者は帰国後も高い評価を受けております。毎年本財団が主催する医学医療交流セミナーには、留学を目指す医師や医学生のために、熱心な医療関係者が参加し、医学医療情報の交流と相互研修に精励努力しています。医学留学パスポートシリーズ、メールマガジンの発行により会員へのよりよい情報提供を図っています。

2000年11月には学会、研究会の助成も可能となりました。2002年より、理事、評議員を中心に、医歯薬セミナー、看護セミナーを開催し、医療の質と安全の向上を目指した活動を展開してきました。

そして2012年7月24日内閣府より新公益法人への移行認定を受け、新たなスタートをきりました。今後も特定公益増進法人の名に恥じぬよう、医学医療分野での国際交流支援活動に寄与するため一層努力して参る所存ですので、倍旧のご指導・ご支援を賜りますようお願い申し上げます。