No.26 日本版ホスピタリスト【短期】助成 研修報告

このたび、パンデミックに翻弄され続けた短期助成研修をやっと終えることができた。2021年の夏にQueens Medical Centerの野木真将先生の元でHospitalist研修を、2022年10月末に同院Palliative care departmentのDr. Fischbergの元で研修を行ったので報告する。Hospitalist研修で一番印象に残ったことが、臨床医にとって教育が大事な業務の一つであるという意識やそれを可能にする勤務体系である。Hospitalistという制度が米国で根付いたきっかけの一つでもあるが、日本のattendingレベルの病院勤務医師は外来・病棟・手術・内視鏡などの検査・処置・患者および家族との面談など多くの仕事に忙殺され…

No.5 なぜ日本にホスピタリストが広がらないのか ―長年日本で臨床教育に関わる「外人」の視点―

半世紀以上、米国の優れた卒後臨床教育は、世界各国から多くの医学部卒業生(Foreign/International Medical Graduate)を惹きつけて来ました。特に卒後数年までの系統的な臨床教育は内科系、外科系を問わず優れたGeneral Mindを養ってきたと感じています。日米医学医療交流財団(JANAMEF)も長年短期、長期の留学を支援し、とくに黒川清先生が会長に就任されてからはGeneral mindを持つ「日本版ホスピタリスト」の育成に注力してきました。しかし残念ながら総合診療方面に進む日本の若手もなかなか増えてこない印象をもっています。